横澤史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

大日本帝国を滅ぼした山本五十六 ⑥ 敗戦責任に時効なし

山本五十六こそ、海軍堕落の象徴

大和ミュージアム 館長 戸高一成

開戦前、アメリカもソ連も恐ろしくて正面から手が出せない、世界最強レベルだった大日本帝国を自滅的・墓穴掘り的に滅ぼした指導者達の「敗戦責任」に、時効はありません。

戦没者のうち「ちゃんと敵と戦えて亡くなった兵隊さん」というのは、1割いるかいないか。ではないでしょうか。

実態は、百万人の陸軍将兵が戦わずして餓死または戦病死、または輸送船ごと水没です。

この方達の無念を思うと、私は五体が裂かれる思いです。

そしてこの、異常な形での大量戦死の原因のかなりの部分は、

「海軍はインド洋を制圧して、中東の油田地帯でドイツと手を組め」

「太平洋方面には深入りしない。赤道も日付け変更線も越えない」

という、開戦前の国家の基本方針を無視して下克上的に軍令部を脅かして、真珠湾だのミッドウェーだのガダルカナルだのに深入りして陸軍の出兵を要請し、武器や食料を送らなかった山本五十六の確信犯的な不作為によるものです。

大東亜戦争はある意味、「山本五十六の戦争」です。

彼は、嫌がる陸軍将兵を二階に上げて、ハシゴを外したのです。

特に「ドイツや日本陸軍が嫌いな」山本五十六が、ドイツや日本陸軍を利する事になるインド人制圧→中東制覇という、日独唯一の勝利の方程式である国家のこの方針を切り捨てた事は、史上空前の国家反逆罪です。

三国同盟を結んだから負けた」

のではなく、

三国同盟に海軍が協力しないから負けた」

のだと私は思います。

日独伊三国同盟を結んだならば、結んだなりに勝つ方法はあったのです。

それがこの、山本五十六が独断で放棄したインド洋制圧の作戦です。

この作戦なら日独の勝利、という事はイギリスのチャーチル首相も、アメリカのスチムソン陸軍長官も、共に認めている事です。

つまり、本来は「大東亜戦争」ではなく、実質的に「大西亜戦争」になる戦争でした。

それを放棄して、戦略的価値が全くないミッドウェーだのガダルカナルだのと、太平洋の奥まで深入りして自らの意図的な不作為により幾百万の陸軍将兵を殺戮した山本五十六の罪、万死に値します。

万年までも消えません。

この山本五十六が英雄だ、なんて、無邪気と言うか、痴呆のレベルです。