横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

2023-09-08から1日間の記事一覧

三島由紀夫 先生が説く「真のエロス」 ①

三島由紀夫先生が、 渾身の力を振り絞った説いた「真のエロス」 死の裏付けがなければ、真のエロスに到達出来ない 私が、人生観の原点にして帰結である青春期に読んだ『憂国』は、私の核になりました。 内容は…。 陸軍中尉夫妻の物語。 その晩に、武山中尉は…

三島由紀夫 文学 『英霊の聲』について

私は小学生の頃に、高倉健主演の『動乱』という映画を観て二・二六事件に最初の関心を持ち、高校時代にこの『英霊の聲』を読みました(その後、三島由紀夫 研究会に入会します)。 「聲」は「声」の旧漢字です。 『英霊の聲』について三島先生は、「二・二六…

三島由紀夫 文学 『仮面の告白』について

幼少期のゆがんだ生育歴を吐露 「我々は待った。もう待てない」 自決する直前のバルコニー上での三島先生の最期の絶叫ですが、僭越ですが私には、 「切腹したいという願望が、もう待てない」 とも聞こえてしまう。 親からの愛情に飢えたゆがんだ環境の中で育…

三島由紀夫 文学 『豊穣の海』について

三島由紀夫 先生の遺作となった『豊穣の海』4部作。 豊饒の海は、「輪廻天生はあるかも知れない、ないかもしれない」「あると言えばある、ないと言えばない」という小説です。 三島先生から見て、息苦しくなる様な近代合理主義に、真っ向から挑んだ内容とな…

三島由紀夫 先生に見る「親殺し」

『絹と明察』『午後の曳航』もそうですが、三島文学の根底に流れているのは「親殺しの願望」「形を変えた親子の葛藤」だと思います。 (※ちなみに『美徳のよろめき』は『仮面の告白』に出てくる実在の人物たる三島先生初恋の女性・園子に対する復讐譚ですね)…