横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

海軍上層部の大罪 23

何か自然災害かの様な「終戦」という表現は、「敗戦責任のごまかし」に直結します。
 
武士道精神のある指揮官は隅に追いやられ、処世術に長けた官僚的おりこうさんのみが幅をきかせて指導した大東亜戦争。 
 
官僚というのは、「これほどごまかしを考えている仕事があるのか」というほど、ごまかしをうまくやった人間が出世する世界です。
 
大ナタを振るわずに、するべき事を先伸ばし、目先の利益にしがみついてるとしか思えない。
 
しかし、国民の範とならねばならぬ者達の増長慢や不作為、隠蔽、努力不足は、徹底的に糾弾すべき。
そしてこの敗戦責任の追究ほど、霊のご供養、霊の慰めはありません。
 
私は、戦没者の声なき声を代弁する気で、海軍上層部の官僚性を糾弾する。
糾弾すべきものを正しく糾弾しないと、日本は再起出来ない。 
 
確かに日本海軍の個々の軍艦や、下士官兵の士気•練度は確かに世界最高レベルだった。
ただ、よく見ると、組織として何か片寄っている。海軍の軍艦は私も好きですが、海軍の体質は批判されるべき。
 
莫大な国費をかけた世界最大最強の戦艦武蔵は、完成が予定より3ヶ月遅れた。
山本五十六の貴賓室を作る為に、です。
 
ズバリ、山本五十六は自分の名誉が壊れないうちに自殺したのではないのか。
しかし、自殺したから免責されると考えてはいけない。
山本五十六のデタラメな作戦指導の為に国民がどれだけ不利益を被ったか。
 
また、レイテ決戦。
海軍上層部は自らの手を下さずに大勢の陸軍兵を殺し、国を滅亡させながら自分だけは生き延びた。
海戦においても、栗田艦隊突入の為に命を投げ打った一万五千の霊は、何ら報われる事がなかった。
 
特攻もそう。
海軍上層部は、特攻で亡くなった英霊に素晴らしい弔辞を書く事で、自らの責任を逃れてきた。
一般兵士の犠牲において、上層部のメンツを守ろうとしているとしか思えない。
 
何を守る為の軍隊なのでしょうか。
自分達の面子を守る為の軍隊なのか。
 
彼らにしてみたら、海軍とは「日本を守る為」ではなく、「自身と、特定の階級を守る為の私的な組織」と化していたのではないのでしょうか。