横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

真の愛国心は、「国益を損ねた者達」への糾弾を伴う

強烈な愛国心から出る意見は、右とか左という狭いイデオロギーを越えます。 

そして真の愛国心とは、国家反逆者への糾弾を伴うもの。
日本海軍の官僚達は大東亜戦争中盤の1943年以降、「どうやったら陸軍に責任をかぶせられるか」に意識を注力しました。
 
しかし、本来糾弾されるべき指導者達が糾弾されないという事が、どれだけ害悪を撒き散らすか。
 
山本五十六黒島亀人が、軍令部に下剋上的にゴリ押しして大敗したミッドウェー海戦の作戦計画がどれだけ愚劣であったか。
3000倍の死者において、異論の余地は無い。
この人達は、日本最良のかけがえのない人達です。
 
政治家なり、軍官僚なり、国の指導層を見る場合は、その人物の生育歴まで見ないとダメです。
例えば、小村寿太郎陸奥宗光チャーチル武家の出です。
 
一方…。
間違えても自分は出撃しないクセに、特攻兵器開発に血道をあげたこの黒島亀人は、幼児期に両親と別れ、養子に出されて母親の愛情を知らずに育ち、大きくなってからは海軍兵学校、海軍大学を卒業する受験エリートとなり、後に山本五十六の右腕となり、絶大な権力を手に入れました。
 
貧困の中、孤児として育った彼が、命令一下、数万人や数十隻の軍艦を動かせる地位に就いたのです。
人格が歪むのは当然です。
 
日本海軍は、こんな官僚が作戦の決定権を、ほぼ握っていたのです。
こういう人間の部下として、命を懸けて戦う事になる将兵こそ悲劇です。