中森明菜さんはインナーチャイルドが癒されたら、絶対幸せになれると思う ③
『少女A』とは「少女AKINA」を暗喩的•黙示的に示しているのでは?
58歳の今の明菜さんの心の中に、幼児の明菜、つまり「少女明菜」がいる。
「10歳の少女明菜」。
ご本人が自伝で述べていますが、父親不在の清瀬の貧しい家庭で充分な家庭愛と関心を得られず、ずっと待ち続けてもそれでもその都度、甘えが満たされず、望んだ愛が得られずに悲しさの中で過ごした幼少期…。
明菜さんのインナーチャイルドが泣いている…
それが、今の明菜さんの中にいる「インナーチャルド」「少女AKINA」即ち『少女A』の裏の意味では、という推測を私は以前に立てました。
「少女AKINA」が、少女の純粋なまま、満たされないまま、今の明菜さんの中にいるのでは、と。
半分だけよ 大人の真似
あとの残り 純粋なまま (『1/2の神話』)
歌詞そのままです。
私は明菜さんのYouTubeを動画を観ていて、悲しんでいる明菜さんの声が聞こえて来る気がして、途中から観られなくなりました。
「明菜さんの声」というより、「明菜さんの中にいる、インナーチャイルドの声」と言った方がいいかも知れません。
人間というのは「幼児期の親との関わり方」が、その人の対人コミュニケーションの基本となり、大人になっても、幼児期に体験した心象風景を何度でも再現するのです。
幼児期に満たされなかった愛情飢餓感は、それに気付かない限り、何歳になっても残ります。
だから、戦争を挟んで幼児期に満たされず清算されなかった愛情飢餓感があると、体が80歳でも中身は子供、なんていう方もいます。
インナーチャイルドの一例を紹介します。
山口百恵の『夢先案内人』を明菜さんがカバーして歌っていますが、あの暗い陰りがあるいつもの明菜さんが嘘の様に、凄くにこやかな笑顔なんです。
一番を歌った後に一瞬、笑顔で下を向くのですが、最高の笑顔なのです。
全く陰りが無い。
恐らく、明菜さんのインナーチャイルドが喜んでいるのだと思います。
それもそのハズです。
この曲が発売された時は明菜さんは11歳。
家庭愛を求め続けていた幼い少女が、テレビ画面の中で『夢先案内人』を歌う山口百恵に憧れてるシーンが、眼に浮かびます。
そのインナーチャイルドが、明菜さんの心の中に、今もいるのだと思います。
ただ、あれだけ重厚な人生経験をされた方ですから…。
明菜さんはインナーチャイルドを光の世界に成仏させたら、愛が溢れる物凄く味わい深い人になると思います
抱きあげて つれてって 時間ごと
(『セカンド•ラブ』の歌詞)
これに尽きると思います。