三島由紀夫と中森明菜 狂の精神 ①
狂える魂デュオニソス、陶酔と激しさ
文学や芸術に必要なのは「狂」の精神。
三島由紀夫文学も明菜さんの曲も、まさにデュオニソスであり、陶酔と激しさ。
しかし、狂気性を帯びているからこそ、人の心を撃つ。
狂気性が飛翔して、通常人では到達し得ない宝石の様な境地を拓いている。
あの時代に青春時代を過ごした人にとって、中森明菜さんの曲はもはやゴスペル。
鳥肌が立つ魂の唄。
狂気の天才
1989年、昭和の終焉と共にそれに殉ずるかのように、彼女はスターの座からフェイドアウトした。
あれほど時代の中心にいながら、瞬く間に退いてしまった人もいないと思います。
暗く歪んだ生育環境に由来する狂気性、その狂気性に裏打ちされた鬼気迫る天才的な表現力、作品の中に隠された未来への予言能力、凡人には計り知れない霊的なまでのインスピレーション能力、その作品群の壮大な世界観、本人の偏愛体質、昭和の歩みと自身の人生の歩みを一にするその時代性、「昭和」との共時性、根底に流れる日本的な価値観への親和性…。
「自分が置かれた環境は、マイナス要因として自覚されたが、文学によりそれが一気に裏返しになる。人生への態度はようやく攻勢に転じた」
岡田尊司 著
『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』
過酷な環境で培われた人格。
能力か障害か。
フグは下手すると毒になりますが、上手に料理すると高級料理になる。
長所と短所の現れ方が極端なのですが、それを長所に転じたのが天才。
日本のルネサンス
多くの人が80年代ソングに惹かれる理由