横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

不世出の天才・中森明菜 ④ AKINA forever...

天才、それは…

何かが一方に片寄って、しかもそれが突出している人

 

「その一線を越えると全てが崩壊してしまう」という危険な一線があるとして、普通の人はどんなにギリギリまで行ってもその一線は絶対に越えないで帰って来るんだけど、たまに本当に越える人がいる。
 
狂気性を帯びた天才肌の芸術家や学者に多いと思う。ある種の自己破滅型の天才。 
マリリン•モンローとかココ•シャネルとかサルバドール•ダリとか、三島由紀夫とか尾崎豊とかアントニオ猪木とか。
破壊者にも救世主にもなる人。
 
天才的な芸術家は、みな狂っている。
しかし狂っているものは人をうならせて、人を惹き付ける。
普通の日常からは、優れた作品が生まれない。 
 
明菜さんも、そのタイプだと私は思う。
 
不幸の生い立ちを、創作のエネルギーに 
 
ちなみに、明菜さん。 
神と交信して一心不乱に祈りを捧げる古代のシャーマンの様な彼女の鬼気迫るパフォーマンスは、正気のそれではない。    
私は彼女の映像を見ていて、「この人は普通の人じゃない。天才か狂気か、どっちかだ」と確信した。
完全に「あっちの世界」に行っちゃってます。
 
ノリに乗っている極盛期の明菜さんは、まだ20歳かそこらで「誰にも負けないわよ」というオーラが出まくっている。
 
明菜の前に明菜なく、明菜の後に明菜なし
AKINA forever...
 
明菜さんのかつての映像を見ていて、「戦後最大の天才だ!」と私は思った。
あの、怨念に満ちた夜叉の様な鬼気迫る表現力は、明菜様以外絶対再現不可。 
 
彼女の重厚な人生経験が全部、ステージに表れていた。 
地の底から這い上がってくるような、うめくような情念は、本当に凄い…。
あの狂気的な天才性は、いくら称賛しても称賛し足りない。
若い頃と比べて全く遜色ない。
むしろ、より「味」が出ている。
残念ながら明菜さんは、今のところ薄幸なんだけど、この人の場合、その重厚な人生経験が全て歌に出ている。 
凄過ぎます。
 
私は明菜さんの事を、以下のように謂いました。
 
…幼児期に父親の愛が欲しかったけど得られなくて、信じていたのに裏切られて、その悲しみを今日までずっと抱えていて、だから彼女の心はガラスのようにモロく、ツッパってる姿は、実は弱さの裏返しであって…。 
 
しかし明菜さんは、その悲しき幼児期ゆえに自己破滅的な狂気性を帯びた天才性を有して…。 
だからこそ彼女は、100か0かの人間。 
 
明菜さんは、その根底に日本らしさを持っていて、そのマインドの根底はあくまでも昭和テイスト。
 
昭和的な情念こそ明菜さんの真骨頂。 
明菜さんは根っから「昭和の歌謡界」の人。 
だから機械音が主流になる90年代以降は、生きづらかったハズ。