横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

海軍大学校のゆがんだ教育 ⑩

「海軍とは海軍兵学校出身の現役将校団なり」

                     日露戦争時の海軍大臣 山本権兵衛   
 
海軍の将校の仕組みを述べます。
海軍のハンモックナンバーとは、海軍兵学校3年間の在校中のありとあらゆる事が点数化され、一番から順番に番号を振られ、何とそれがその後 何十年に及ぶ出世•序列の全てに反映されるのです。
 
陸上から隔離された特殊な閉鎖的な世界で、その中でもクラスのトップグループの成績優秀者。
一クラス平均で16%が行く海軍大学校の出身者が海軍の中枢に就く事になります。
 
ただでさえ倍率20倍を突破してくるわけですから、受験エリート中のエリートです。
 
海軍大学校では人格陶冶・人間形成教育はほとんどなく、教わるのは「艦隊決戦に勝つ為の戦術」ばかりでした。
つまり、各級指揮官から独創性を奪い、 「上から言われた事に要領よく従う人間」が高い評価を受けるという、典型例な官僚の世界です。
 
だからこそ、人によっては抜き差しがたい特権意識が肥大化する。
 
レイテでも菊水一号作戦でも、部下達に戦艦大和で裸で突撃させる等は、特権意識のみ肥大化した、完全にバランスを失っている証拠です。
 
大和の水上特攻に関しては「行った人の偉大さ」「作戦を立てた人間の愚かさ」この両方を見ないといけない。