「海軍兵学校を出れば 一生安泰」密室の終身雇用
つまり金太郎飴の様に同じタイプの人間が大量生産される偏った教育。
という事は、何度かお伝えしました。
(海軍大学校卒業生の中には、第三次ソロモン海戦で鬼神をも哭かしむる奮闘をした戦艦比叡の艦長 西田正雄 海軍大佐や、敷島隊に先駆けて自ら体当たり攻撃をした第26航空戦隊司令官 有馬正文 海軍少将の様な、日本人が語り継ぐべき立派な武人もいる)
学校で学んだ勉強の内容が実社会に必ずしも適用しないのと一緒で、海大の教室で学んだ教科書の内容は、柔軟でプラグマティズムな米海軍には通用しなかったのです。
また、連合艦隊司令部が真珠湾攻撃でもミッドウェー海戦でも奇妙、と言うより異常なのは空母の護衛に、まともな対空兵装はほとんど、もしくは全くない駆逐艦で事足れりとして、必要な重巡はほとんど出撃させなかった点です。
そして日本の重巡は、その多くが海戦以外で沈んでいきました。
また、ミッドウェー海戦で、ゼロゼロが敵の雷撃機を撃墜している隙にSBDドーントレスが急降下で日本の4隻の空母を爆撃したのを見てもわかる様に、日本海軍は、と言うより山本五十六の戦術観が、雷撃重視なのです。
こういう所にも「思考の偏り」を垣間見る気がします。
慟哭なしには書けない…
「敵の潜水艦から味方の輸送船団を守る」
「味方の潜水艦で敵の輸送船団を攻撃する」
何と連合艦隊司令部は、これを全く考えないで戦争を指導していたのです。
恐るべき事です。
それにより、数百万トンのこちらの輸送船が沈没。
20〜30万人の陸軍将兵が、戦わずして輸送船ごと水没しました。
大変な不作為であり、万死に値します。
これはマハンの影響ですが、海軍大学校では戦術、戦技レベルの教育しか施していない。
つまり「スペシャリスト」は育成しても、「ジェネラリスト」を育成していない。
実際に日本海軍は、平面的な戦術•戦技レベルでのみ戦ったのです。
一方アメリカは、日本軍人のマインドを「マーケティングリサーチ」して、社会学者や心理学者まで動員して立体的・複合的な戦いをしました。