※②の続き
亀谷さんのお話、いかがでしたでしょうか。
中学一年で、家族6人の無惨な姿を目の当たりにしなければならなかった14歳の少女・亀谷さんの当時のお気持ちを想うと、私も身が切られる思いです。
今も亀谷さんのお手元にある、お兄様が亡くなる直前に送ってくれた手紙には、
「母達のカタキを討つ。お前もちょっとぐらいの苦しい事で泣き面などせず、明朗な気分で頑張れ」
と書かれています。
家族6人の焼死を「ちょっとぐらいの苦しい事」として、復仇を誓う17歳のお兄さん…。特攻隊に志願された方達と言うのは、こういう方達なのかと思います。
そのお兄さんも、3ヶ月後に空襲で亡くなります。
今は泉下にいる亀谷さんのご家族は、いまわの際にどんな思いで亡くなったのでしょうか。
今や、声を挙げたくても挙げられない、何も言えなくて亡くなった方達のその声なき声を、語り継いでいかなければならない。
後世に残された我々は、己の心魂に刻まなければいけない。
2015年8月・2023年7月 聞き取り
※東京大空襲を経験された方達