写真左が『彩雲』搭乗員の杉野富也 先生。右が佐伯正明 先生
※①の続き
佐伯先生が特攻志願したこの神雷部隊は、司令の岡村基春 海軍大佐以下、精鋭揃いでした。
佐伯先生いわく…。
「私達は、一刻も早くこの兵器(『桜花』)を見たかった。
今や、全海軍あげて活躍を期待されている特攻機というなら、なおさらです」
板子一枚下地獄
佐伯先生達は、茨城県の神之池にて、まずはゼロ戦52型での滑空訓練を展開します。
佐伯先生のお話
「どの道、命はないのだ。
(特攻隊として)自分一人で何千人の乗員と百機の戦闘機を巻き添えにして、天下の空母と心中する方が、(戦闘機に乗るより)どれだけ死に様として良いか」
そして…。
佐伯先生達はいよいよ、上空3000メートルの一式陸攻から訓練用の『桜花』に乗り込んで敵艦に体当たりする訓練を展開します。
「命は惜しくないけど、凄まじい武者震いだった」との事。
そして落下訓練当日…。
一式陸攻から訓練用の『桜花』に乗り込んで…切り離された…!
凄まじい衝撃だったそうです。
何とか体勢を持ち直してそのまま滑空して着陸を試みますが…ああ、着陸に失敗。そのまま気を失います。
大怪我をした佐伯先生ご自身は入院となりましたが、戦友達は佐伯先生を置いて、次々と特攻に出撃。
佐伯先生のお話
「この大事な時になす術もなく、自分は何ら戦力に寄与する事なく、病室で…。言語を絶する悔しさがありました」
…佐伯先生、凄まじい大和魂です。私も言葉になりません。
2017年12月 聞き取り
※下の写真は、愛媛県今治市にあるゼロ戦パイロット 西開地 重徳 一飛曹のお墓にて。
佐伯先生と墓参して参りました。
西開地 一飛曹は空母『飛龍』の搭乗員として真珠湾攻撃に参加。
ニイハウ島にゼロ戦ごと不時着するも、原住民にノドを切られて亡くなった方です。