横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

今こそ、伝えねば…旧軍人インタビュー ⭐️ B29への体当たり部隊 ②

※①の続き。

竹田閣下との思い出について。

私的なやり取りですので、公にするのは憚られる気もしますが、今となっては、泉下の竹田閣下も諒として下さると思います。

月に一回、市ヶ谷の「公益財団法人 偕行社」にて陸士のクラス会があったので、私は2015年から毎月、車で竹田閣下をご邸宅から送迎させていただき、終日、運転手を務める栄に浴しておりました。

その帰り道でのヒトコマ。

帰りの車中で、閣下がポケットから白い包みを出されて「横沢さん。これはほんの気持ちです…」と…。  

私も大人のハシクレ。 

「包みの中身」が何なのかはわかります。 「いえ、お受け出来ません」私は断固として拒絶しました。

「どうしても受け取って欲しい」とおっしゃる閣下。 

「ごめんなさい」と、必死の私。  

車中でずっとそのやり取りでした。 

私は閣下のご要望に、初めて徹底的に反対の意見を申し上げました。   

「これだけは断固として断る。一歩もひかない」と決めてました。 

しかし、閣下は「どうしても…」と。  

そこで閣下は私にこうおっしゃいました。  「お金と思わず、私の気持ちを受け取ると思って、お納め下さいませんか?」  

…どうですか。この一言。  

この瞬間に私、半分「落ち」ました。  

「受け取る事が、誠意かな…」。  

それでもやはりお断りしました。  

そうしたら閣下。

下車される最後に、

「そうですか。では今回は仕方ないです。では次の時に…。私はあきらめてませんから」  

…もう、涙出ちゃいますよね。

私、最後は有難く受け取らせていただきました。そうしたら閣下、満面の笑みで、

「良かった…」

と…。 

しかも中身、つまり閣下の「お気持ち」は…。

 

「こんなにいただいて…」という様な額でした。  

ただ私は、

「他人様からのご好意は、遠慮しないで有難くいただく事が誠意」

「遠慮はごう慢」

という価値観も持ち合わせているので、有難く閣下の「お気持ち」をいただきました。 

今から5年くらい前の出来事ですが…。

いま思い出しても震えて来ます。

胸が一杯で、これ以上は書けません。

ただ一言。

私は、竹田閣下のご供養を一生続けます。