※①の続き。
竹田閣下との思い出について。
私的なやり取りですので、公にするのは憚られる気もしますが、今となっては、泉下の竹田閣下も諒として下さると思います。
月に一回、市ヶ谷の「公益財団法人 偕行社」にて陸士のクラス会があったので、私は2015年から毎月、車で竹田閣下をご邸宅から送迎させていただき、終日、運転手を務める栄に浴しておりました。
その帰り道でのヒトコマ。
帰りの車中で、閣下がポケットから白い包みを出されて「横沢さん。これはほんの気持ちです…」と…。
私も大人のハシクレ。
「包みの中身」が何なのかはわかります。 「いえ、お受け出来ません」私は断固として拒絶しました。
「どうしても受け取って欲しい」とおっしゃる閣下。
「ごめんなさい」と、必死の私。
車中でずっとそのやり取りでした。
私は閣下のご要望に、初めて徹底的に反対の意見を申し上げました。
「これだけは断固として断る。一歩もひかない」と決めてました。
しかし、閣下は「どうしても…」と。
そこで閣下は私にこうおっしゃいました。 「お金と思わず、私の気持ちを受け取ると思って、お納め下さいませんか?」
…どうですか。この一言。
この瞬間に私、半分「落ち」ました。
「受け取る事が、誠意かな…」。
それでもやはりお断りしました。
そうしたら閣下。
下車される最後に、
「そうですか。では今回は仕方ないです。では次の時に…。私はあきらめてませんから」
…もう、涙出ちゃいますよね。
私、最後は有難く受け取らせていただきました。そうしたら閣下、満面の笑みで、
「良かった…」
と…。
しかも中身、つまり閣下の「お気持ち」は…。
「こんなにいただいて…」という様な額でした。
ただ私は、
「他人様からのご好意は、遠慮しないで有難くいただく事が誠意」
「遠慮はごう慢」
という価値観も持ち合わせているので、有難く閣下の「お気持ち」をいただきました。
今から5年くらい前の出来事ですが…。
いま思い出しても震えて来ます。
胸が一杯で、これ以上は書けません。
ただ一言。
私は、竹田閣下のご供養を一生続けます。
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