桜というのは、その美しさが絶頂を迎える満開のピーク時に、その真裏に、間もなく散っていく「終焉」を宿している。
青春も、桜の様に儚いもの。煙の様に儚い。
積もった純白の雪もやがて黒ずんでいくという事をまだ知らず、現実社会の苦味も知らずに甘い理想をまだ本気で信じている青春時代…。
しかしその、洗いざらしのシャツの様に純白で若さに輝いている若者も、瞬く間に大人社会の一員になって、欲も保身も覚えていく。
だからこそ、短い青春時代というのは、まばゆいばかりのその輝きの裏に、両手の手の平からこぼれ落ちる砂の様な儚さが、同居していると思います。