横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

今こそ、伝えねば…旧軍人インタビュー⭐️亡くなった戦友が守ってくれたから…

 

河原井卓 先生  1913年(大正2年)生まれ。
茨城県 最高齢だった方です。

長らく「戦争の悲惨さ」を訴えて来られました。

28歳になる1941年、大東亜戦争開始直前に、奥様と1歳のお嬢様を残し、陸軍に召集。
マレー作戦に従軍してイギリス軍と戦闘、東南アジアでの輸送任務にあたられましたが、多くの兵士が戦闘ではなく飢えや病気で亡くなっていったそうです。

中でも、河原井先生が最後まで語っていたのが、「助けてくれ」
と泣き叫ぶ戦友の血便を覚悟を決めて手ですくっていたら、
「この恩は死んでも忘れない」
と言って泣きながら手を合わせ、そのまま亡くなっていかれたという話です。
「あの戦友が守ってくれたから、今日まで長生き出来たんだ」
と、話していました。
2018年9月 聞き取り

そんな河原井先生ですが…。
2021年9月、逝去されました。
今頃は件の戦友と、80年ぶりの再会を果たしていると思います。
享年108歳。

河原井先生の、長い長い、気の遠くなる様に長かった「戦後」が、ようやく終わったのだと思います。
安楽にお眠り下さい。
合掌。