先日、コンビニのレジで、女子高生が「お先にどうぞ」と、私に譲ってくれました。
「若さ」っていいな。と思いました。
またその後、たまたまある高校の前を通った時に、黄昏時の校庭で部活に励む生徒達のフレッシュな姿を見ていて、やはり「若さ」っていいな、と思いました。
だけど我々は知っているわけです。
「青春時代なんて、すぐ終わるんだよ」
という事を。
「若く眩しく輝いている皆さんだって、あっと言う間にすぐに中年になるんだよ」
という事を。
青春時代の輝きなんて、一瞬だけ輝いて散ってしまう蛍のようなものです。
だからこそ、かけがえのない青春時代もすぐ終わるからこそ、若さのすぐ後に「青春の終わり」が迫っているからこそ、「今」この瞬間が愛おしくかけがえのないものに感じる。
桜も、その美しさの絶頂に間もなく訪れる「終焉」を宿しているからこそ、すぐ散り果てるからこそ、愛おしく感じる。
とにかく、現実社会の苦みを知らず、甘い理想を本気で信じている青春時代…。
自我や我欲に汚れていない「ありのままのその人」であるこの思春期・青春期こそ、その人間の人生観の原点にして帰結。
青春時代には、その後の人生を予見する様なその人の全てが詰まっている。
人間は、青春時代に向かって回帰する生き物です。
だからこそ、両の手の平からこぼれ落ちる砂の様に、はかなく終わってしまう青春時代の一瞬一瞬を、大切に過ごしていただきたい。
そして、青春時代に限らず、物事は全てそうです。
会者定離。会うは別れの始めにて…。
「今」の目の前の楽しい出会いには、実はその裏には別れを宿している。
終わりや別れが必定だからこそ「今」目の前の一期一会に全てを懸ける。
この日本古来の世界観を、皆さんの体内の記憶から、もう一度取り戻していただきたいと思います。