横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

敗戦責任の追及こそ興国の大業 ⑨

充分に防げたハズのB29の空襲を、何か「天災の様なもの」という認識をしていないでしょうか。

「敵軍に殺戮された」という認識が薄い気がします。

終戦記念日が8月15日という、お盆の時期にあたるのも、微妙に影響していると思います。

しかし、戦没者や原爆犠牲者は不可抗力の「自然災害」や「天災」で亡くなったのではありません。

例えば、10倍の兵力を擁しながら逆に10倍の戦死者を出して負けたミッドウェーの死者も、(実は)ガダルカナルの死者も共に、海軍上層部の「オウンゴール」的な「人災」です。   

陸軍戦死者のうち100万人は餓死、または飢餓による戦病死です。  

これも、海軍上層部が補給を絶った事による「人災」です。 

また、こちらは海軍の責任ではありませんが、「終戦後」に満州で約20万人の日本人一般婦女子がソ連軍による虐殺と寒さと飢餓で亡くなったのも、同じく「終戦後」にシベリアに100万人の陸軍将兵や一般市民が抑留されて50万の死者を出したのも「人災」です。  

不可抗力の「天災」による死者ではありません。

その「人災」を引き起こしながら、ほっかむりをした敗戦指導者達の「敗戦責任」を明確にする事が、戦没者への「鎮魂」です。

私は幼児期から、これをやりたかった。

ドイツによる1940年のノルウェー侵攻時に敵と内通して手引きをしたとして、戦後に処刑されたクヴィスリング首相の様に「内側からカギを開けた裏切り者」は一人もいなかったと言えるだろうか。

裏切り指導者達は、或いは隠蔽指導者達は、逃げおおせた事で、隠蔽した事で、まさか己の責任が消滅したとでも本気で思っているのでしょうか。