横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

大日本帝国を滅ぼした山本五十六 16

真珠湾を先に攻撃してアメリカを戦争に巻き込むなら、

どうやって戦争を終わらせるか」

「戦後の世界秩序を、どの様な理念で、どの様に導いていくのか」

「その理念は、他国の共感を得られるのか」

という戦略的ビジョンがないといけない。

しかし、発案者の山本五十六には何もない。

単に、真珠湾攻撃という一回きりの華々しい事をバクチ的にやりたいだけ。

しかし戦争を起こすなら、単に戦闘に勝てばいいというのではなく、戦中も戦後も自国の理念を国外に広めていくというビジョンがなければいけない。 

つまり大東亜戦争とは、山本五十六個人が真珠湾攻撃をやりたくて、それに海軍上層部も同調して、即ち山本五十六のバクチ癖に振り回されて始めたのではないか、という見方が出来る。

真珠湾攻撃→対米戦という海軍の意思を、下剋上的に国家の意思に格上げさせたわけです。

「開戦したら、半年や一年は暴れてみせる(後の2、3年は知らない)」

という山本五十六の発言は、刑務所暮らしを前提にしたヤクザの殴り込みの発想です。

 2、3年したら東京が焼け野原になる事を望んでいたのでは?   

アメリカ本土から遠く離れたハワイにいる艦隊が空襲されて、アメリカ全土の士気が阻喪するハズない。   

「私と二人きりになると(戦争に)勝つ見込みはさらさらなしと言い切っていました」

戦時中も山本五十六と不倫関係にあった河合千代子のコメントです。

大東亜戦争はこんな指導者の下で、数十万人の部下将兵が命懸けで戦ったのです。

戦没者は、山本五十六に殺された様なものです。

祖国や陸軍をヘイトするサディズム的な精神病でなければ、祖国の滅亡に直結する真珠湾攻撃なり、ミッドウェー海戦なり、ガダルカナルの戦いなりは、実行出来ません。

山本五十六からは、自らが強行したミッドウェーやガダルカナルで亡くなった日本人を、何ら痛む気持ちが見られない。

当時の価値観なら「陛下と国民に、死んでお詫びしろ」という所です。