それにしても…。
男性なら、みんなわかると思うのですが…。
「他人の奥さん」って、何でこんなに魅力的なんでしょうか…。
特に「自分がお世話になった人の奥様」とか。
「絶対に手出し出来ない」という現実が、その高齢の奥様を、美の絶頂に高める。
そういうタブーが無ければ、多分どこにでもいる普通の主婦なのに…。
とにかく「自分がお世話になった人の奥様」に「好きです」なんて口が裂けても言えません。また、言ってはいけない。
ですからそういう場合に私は「貴女を憎からず思っています」という自分の気持ちを、会話の中でアイコンタクトで無言のうちに伝えます。
相手の方も、私が投げた愛のボールに会話の途中で気付きます。
私との一瞬の眼交い(まなかい)に、私からの愛を感じ取ってくれるのです。
するとその奥様、「うれしく思います」という気持ちを、やはり無言のアイコンタクトで送って下さる。愛の黙約です。
私は心の中で瞳を閉じて彼女を抱きしめ、下腹部に手を入れて果肉の潤いを確かめ、そのまま彼女の唇に接吻します。全て「心の中」で。
それで終わりです。葉隠いわく…。
恋の至極とは、忍ぶ恋と見立て申し候
後の煙にそれと知れ
つひにもらさぬ中の思ひは
これが日本人の恋愛観…いや、戀愛観です。「愛しています」なんて、いちいち口に出すと軽くなる。アメリカ人じゃあるまいし。
自分の気持ちは、言葉なんかでは言い表せられない。という事でしょうね。
三島由紀夫 先生いわく…
禁じられたタブーこそが、普通の女性を女神に変える。
タブーが無ければ、真のエロスとは言えない。
そしてタブーこそ、恋の刺激的な緊張を持続する。だから、性に極めて厳格なカトリックというのは、実は物凄くエロチックな宗教。
との事です。