横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

大日本帝国を滅ぼした山本五十六 ① 敗戦責任に時効なし

海軍は、西の支那事変が終わっていないのに、東の真珠湾だ、南のニューギニアだと、国家の方針に公然と背いて、攻勢終末点を完全に越えて、戦力を撒き散らすかの様に戦線を拡大しました。

そのうちに補給線が続かずに撤退しますが、南太平洋の島々に取り残された陸軍の将兵は、友軍(海軍上層部)に見捨てられ、100万人が餓死・戦病死する事になります。

これが自滅作戦でなくて何でしょうか。

戦勝への努力不足とか、手抜き等という甘いレベルではない。

もはや「作戦」ですらなく、この状況を率先して作った山本五十六は、親の仇である長州藩が作った日本陸軍将兵を意図的に屠殺して、大量の餓死・戦病死を愉悦してたのではないか。

陸軍だけでなく海軍の将兵も含めて、国家最良の人材を数十万人・数百万人の単位で喪失する事になったこの自滅的な戦争指導。

戦略を度外視して日本自滅の導火線となった真珠湾攻撃同様、これら一連の行動は日本への憎しみなくして出来る事ではありません。

この結果を招いた山本五十六が英雄だなんて、もはや痴呆のレベルであり、「国家破壊が正しい」と言っているのと一緒です。

真の愛国者なら、山本五十六への糾弾に手を抜いてはならない

いや、山本五十六に限らず連合艦隊 司令部全体に、

「予算獲得の敵であった陸軍が少々痛い目を見ても構わない」

という意識があったのでは。

だとしたら、とんでもない国家反逆罪です。

そもそも「インド洋を制圧して中東の油田地帯でドイツと手を組め」という国家の方針に背いて、何の戦略的価値もなく地獄への一里塚である南太平洋方面に深入りした時点で、山本五十六以下の連合艦隊司令部に「三国同盟の一員」という自覚がなかったと断ぜざるを得ない。

三国同盟を結んだ事への批判が戦後、喧しいがそれは後付けの知恵。

この時点ではドイツやイタリアとの三国同盟は国家の方針であり、「三国同盟が善か悪か」の問題ではない。

中世の宗教戦争ではないのでこういう所に「善悪」の基準を持ち込んではいけない。

…話を戻しますが、上記の、海軍主導による南太平洋方面の戦争指導。

人間だから間違いはある。

一生懸命やった上での失敗なら、人は許してくれる。

だからこそ、不作為・隠蔽・裏切り。

こういった事は厳しく糾弾されるべき。

指導者のこういった責任が追及されなければ、国が滅びる。

もう誰も「国の為に命を捧げて尽くそう」とは思わない。

また、そんな国なら尽くしてはいけない。