※①の続き
そこで砲兵を率いる中村隊長。
敵戦車を引き付けて、引き付けて、充分に引き付けた所で…。
「撃てーー!」
と号令。
敵を混乱させる為に、一番前の敵戦車と、中頃にいた敵戦車を狙いました。
弾は見事に命中!
敵戦車群は大混乱に陥ります。
そして、中村隊長。
道路の脇のやぶの中から立ち上がり、軍刀を抜き、鬼神の形相で「突撃ーー!」と下令し、敵に向かって突っ込みます。
敵と味方が入り乱れた接近戦になれば、敵は同士討ちを恐れて銃火器を使えない。
つまり、中村隊長は日本軍得意の白兵戦に持ち込むつもりです。
「うおーー!」
軍刀を抜き、銃剣を構えて阿修羅になった全軍の総突撃です。
すると…。
彼らは、白兵戦での日本陸軍の恐ろしさを知っています。
「ピー!」「ピー!」と、あちこちで笛が鳴ります。イギリス軍、退却の合図です。
日本陸軍と白兵戦はしたくない。
突撃した我が軍は、破砕した敵戦車の上に飛び乗り「バンザーイ!」「バンザーイ!」と、勝利の雄叫び。
イラワジ会戦、唯一の勝利
中村隊長の指揮のよろしきを得て、日本陸軍の圧勝となりました。
だいたい日本陸軍は、インパール作戦以外、イギリス軍には圧倒的に勝ち越しています。
確か10回くらい勝って、2回くらい負けているのです。
そんな中村先生ですが…。
2019年5月11日。逝去されました。
あと1週間で100歳になるところを…。
私は天を仰いで慟哭し、地にひれ伏して嗚咽しました。
中村先生の長い長い、気の遠くなる様に長かった「戦後」が、ようやく終わったのだと思います。
中村先生。
日本の為に戦って下さって、有難うございました。
安らかにお眠り下さい。合掌。