横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

海軍上層部の大罪 20

「敗戦責任」追及の視点を欠いた大東亜戦争研究など無意味
私は、戦没者の声なき声を代弁する気で、海軍上層部の官僚性、及びその「敗戦責任」を糾弾する。
海軍の将官にとって海軍とは、他の省庁と同じく、定時に出退勤し、己が出世する所でした。
 
日本海軍は手順通りに攻めて来る時は勇敢で正確で素晴らしい。ところがいったん手順が狂ってしまうと、信じられないほど無能だ」
                    アメリカ海軍 作戦部長 キング提督
 
海軍が進めた「南進」は、国益に反する
 
そもそも、ソ連に対峙する北進は日本の国益に合致しますが、南進は英米との激突を意味し、日本の国益に反します。
 
しかし、海軍が戦線を南に拡大して南進した事で、北(満州)の陸軍の精鋭部隊を南に送り込む事になり、主敵のソ連に対する満州の守りがガラ空きになってしまった。
ですから、終戦時の満州国の阿鼻叫喚は、一にかかって「南進した海軍上層部の責任」です。
 
大本営 海軍部の超ウソ発表
 
空母100隻撃沈(実際は11隻)
戦艦36隻撃沈(実際は1隻)
 
戦後において「大本営発表」と言えばウソの代名詞と思われていますが「大本営 陸軍部 発表」は、負けた事をかなり正直に国民に伝えています。
デタラメなウソを発表しているのは「大本営 海軍部 発表」です。
 
何より、日吉の連合艦隊司令部 自体が、戦艦大和の沈没以降、特攻を命ずるだけの存在になりました。
海軍の上層部のメンツを守る為、責任逃れの結末を下国民に押し付けるだけの業務になったわけです。
 
三島由紀夫先生が言っていた事ですが、戦後の日本社会の理念というのは、福沢諭吉的な近代啓蒙思想の思想体系であり、このレールの上に海軍(上層部)は乗るわけです。
しかし近代啓蒙思想では、日本を守れない。
何より、武士道とか大和魂というのは、近代啓蒙思想から見たら、憎むべき異教徒の邪悪な教えであり、彼らの敵なのですから。