横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

大日本帝国を滅ぼした山本五十六 14

山本五十六は、戦さの勝敗が、まさか「物量の差で決まる」とでも思っていたのでしょうか?
 
アフガン戦争は?
 
有色人種の弱小国家を相手にしたこれらの戦いで、圧倒的な超大国アメリカもソ連も、完全制圧なんか出来ませんでした。
 
と言う前に…。
 
元寇は?
 
と聞きたいです。
「物量で劣る側」である日本が勝利しています。
 
また何より、山本五十六無為無策とは、世界最大最強の戦艦大和と武蔵でガダルカナルの陸軍を守ろうと思えば出来るのに、それをしないで見殺しにして万余の友軍を餓死させた猟奇的な異常性にある。
 
この、意図的とも思える責任放棄。未必の故意による大量殺戮。権力を掌握した山本五十六の国家反逆罪。
これを国賊と言わず、何と呼べばいいのでしょうか。
何より、カダルカナル島の戦いは、相手の土俵に友軍(陸軍)を送り込んで、ハシゴを外して餓死させているではないですか。
 
この山本五十六の大罪は「自ら戦端を開いておきながら、戦勝への努力不足」等という甘いレベルではありません。 
 
そもそも開戦前の国策では、太平洋方面は日付変更線を越えず、赤道を越えず、サイパンに留まり、海軍はインド洋を制圧して中東の油田地帯でドイツと組む。
という事になっていました。
 
しかし、山本五十六個人は大の嫌い。
その嫌いなドイツを勝利させるインド洋制圧など、したくなかったのでしょう。
 
しかし、政府の方針が自分の考えと違うからといって、国家が一度決めた方針に勝手に逆らうなど、とんでもない大罪です。
 
また、世に溢れる山本五十六讚美本。
そこには、国家の方針に背いた山本五十六の暴走によって地獄の思いをした末端の兵士達の事は、全く書かれてない。 
ですから、山本五十六賛美論者は、その裏返しで幾百万の戦没陸軍将兵を死後も辱しめている。
という事を記憶すべきです。
 
また、こういった山本五十六の敗戦責任を見ずに個々の兵士の奮闘を称賛するのも、木を見て森を見ず、と言えます。
それに、個々の戦闘にこだわっていると、大東亜戦争の全体が見えなくなる。
 
どうも日本人は情緒に流されやすく、枝葉に走って大局が見られない傾向にあるのではないでしょうか。