日本陸軍の偉業を日本人が伝えなければ、誰が伝えるのか
2016年1月、旧日本陸軍軍人の親睦会である偕行社の、新年会にて。
左から、
・大島正虎 陸軍大尉(元 近衛師団 94歳)
・不肖 私
・堀江正夫 陸軍少佐(元 自衛隊陸将/元 西部方面総監 100歳)
・竹田五郎 陸軍大尉(元 自衛隊空将/元 統合幕僚会議議長 94歳)
この時、100歳の堀江正夫先生が94歳の竹田五郎先生の元に駆け寄り、力強く「竹田君!」と一言言った後、右手を差し出しました。
数秒間、お互いに見つめ合った後、黙って握手。
両将の無言の握手に、周りにいた方達も心が揺さぶられ、私も感動で震えました。
その場の空気が激しく動いた気がします。
メールでは伝わらないでしょうが…。
この「たけだくん」という5文字には、
「94歳になってまで、よくぞ無事でここまで来てくれた」
「キツい体にムチを打って、俺に会いに来てくれたんだな」
「しかし、まさかまた、君に会えるとは…」「会えて本当にうれしい」
という、堀江先生の万感の想いが込もっていたのです。
堀江先生の「竹田君!」の5文字は、物凄く重い5文字でした。
私、あんなに万感が込もった5文字……いや、あんなに万感が込もった日本語は、今まで耳にした事ありません。
あの5文字。あのシーン。
私は終生忘れません。
いま思い出しても、私は目頭が熱くなる。
お二人のその数秒の交わりに、幾十年分の、千万言分の言葉が、凝縮されていたと思います。