横沢史穂のブログ

祖父が、ラバウルで負傷した陸軍の傷痍軍人でした。左右のイデオロギーに関係なく、戦争経験者の話を中心に編集したいと思っています。

大日本帝国を滅ぼした山本五十六 11

百戦錬磨のドイツ軍は、圧倒的に数が多いソ連軍を、少ない人数でも撃破し続けた。

ドイツ軍を指揮したマンシュタイン元帥もグーデリアン上級大将も「勝てる戦争だった」と言っている。

ヒトラーがメチャクチャな命令をするから負けた」との事だが、ちょっとそれは言い過ぎだとは私は思う。

最近の研究では、表面的には大勝利していた1941年の夏頃でもドイツ側はかなり補給線が伸び切っていた事が明らかになっている。

しかし、ヒトラーの戦略でなければ、もっと有利な展開にはなったであろう事は間違いない。一人の指導者の戦略ミスのお陰で、劣弱なソ連軍如きに負けて悔しいハズ。

そして何よりも、その前に…。

ヒトラーのミスがあろうと、当初の予定通り、山本五十六以下の連合艦隊が太平洋方面に深入りせずにインド洋を制圧して、日独が中東の油田地帯を抑えたら、ドイツに石油が供給される。

ドイツは石油が欲しいから、ウクライナ作戦とかコーカサス作戦をやって、時間と戦力をロスしてしまったのだから…。

中東を押さえたら、1942年末からの、第二次世界大戦の天王山・史上最大の市街戦であるスターリングラード攻防戦に間に合いました。

大きな敗因となった「日本海軍の裏切り」に対し、ドイツ側は泣くにも泣けない心境でしょう。

それでもドイツは再起した。

第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも、ドイツは負けて20年で精神的にも立ち直った。

片や日本。

山本五十六がメチャクチャな命令をするから負けた。

そう言い切れます。

だから私は、大変僭越ですが、戦没者の声なき声を代弁する気で、海軍上層部の敗戦責任を糾弾する。

これを糾弾しないと、日本の再起はない。

クエートには長い間、全世界産出量の過半数を占めていた世界最大のバクー油田がある。

日本も石油が欲しいなら、なおの事、中東の油田地帯を攻めるべきだったのは当たり前の事。

また、北樺太やシベリアのヤクートにも油田がある。

そういった事を無視して、国策に背いてインド洋制圧を捨てて真逆の南太平洋方面に深入りして彼の地に百万人以上の陸軍将兵を分散させる事になった山本五十六以下 連合艦隊司令部の裏切り行為…。

悲憤慷慨、痛恨の涙を禁じ得ない。