戦後の日本は、戦没者への「鎮魂」が済んでいない ☆ 横沢史穂

明治生まれの祖父が、陸軍の傷痍軍人でした。百万人の陸軍将兵が敵と戦う前に餓死・戦病死させられたあの戦争。その責任がある山本五十六達の敗戦責任を明確にする事こそ、全戦没者への「鎮魂」ですが、戦後日本は「鎮魂」が済んでいない。更に現代の「毒親」も追及します。

三島由紀夫 先生の言葉 ④ 正しい狂気

狂気によって飛翔する。正しい狂気。

狂気が精錬されて、狂気の宝石にまで結晶して、正気の人達の知らぬ人間存在の核心に腰を据えてしまう。

世界中の学問が凝縮したかのように、あらゆるテーマが仕掛けられてる三島由紀夫小説。

文学というより、百科事典です。

三島由紀夫先生は、人間存在は理性や理論だけでは汲み取れず、内在する狂気性を正しい方向に活かす事によって更なる昇華を遂げる。という事を主張しています。

「狂気性の正しい活かし方」というのは、主にミュージシャンや俳優や作家といった優れたパフォーマー表現者に見られます。

彼らは幼少期に愛情面で傷を負い、しかしそれにより感性が極度に敏感になり、感受性が磨かれる。

その源泉は、傷つきから来る狂気性です。

彼らが幼児期に触れた悲しみ、寂しさ、そしてそこから来る狂気性は錬磨され、人の心を打つ。

逆に言うと、狂気性が無ければ人の心を打つ優れたパフォーマンスとはなり得ないのかも知れません。